水耕栽培

Hydroponics system
土や培地を用いずに、作物に適した培養液を主体として栽培する方法で、土耕と違い連作障害もなく、生育スピードも速く、再現性の高い栽培方法であり、定植・収穫等の作業も、クリーンで楽である。反面、作物の生理ストレスや土壌病害(水伝染性)の緩衝作用が弱く、栽培に対する注視が必要とされる。

水耕栽培の種類
NFT 薄膜水耕

1973年にイギリスで開発された技術であり、緩やかな傾斜のついた栽培ベッドに、培養液を少量ずつ流下させながら、栽培するシステム。英語名は、nutrient film techniqueと言い、頭文字をとってNFT水耕といわれている。
培養液を薄く循環させることによって、空気中の酸素をより多く溶解させ、液面上の作物の根が酸素を空中からも取り入れることができるため、酸素欠乏が起こりにくい。また、培養液の冷却や加温が低コストでできる。

ナッパーランド™・かっぱランド™
NFT水耕です。

DFT 湛液型水耕

1964年に日本で開発された技術であり、栽培ベッドを水平に保ち、培養液を比較的大量に溜めたベッドに定植パネルを浮かべて苗を植え、培養液を循環させて栽培する方法である。NFTとの比較のため、和製英語として、DFT(deep flow technique)と呼ばれることもある。
培養液の量が多いことから、栽培中の濃度や組成の変化は緩やかであるが、高温時の酸素溶解量が不足し、作物によっては酸素欠乏症を生じることもある。ミツバで普及した水耕栽培方法とも言える。

ナッパーランド.ネットの水耕栽培

葉菜用栽培システムの「ナッパーランド™」・果菜用のシステム「かっぱランド™」も共にNFTであり、培養液中の溶存酸素の高さ及び培養液冷却の低コストを重視している。いずれも、ブロック分け方式を採用し、根系の病気のリスクの軽減を図り、無農薬や減農薬に対する思い入れを強く持ったシステムである。
「ナッパーランド™」は、水耕栽培では最も栽培の難しい作物の一つである、ヒユ科のホウレンソウも栽培できるシステムとなっている。

ナッパーランド
ナッパーランド™
かっぱランド
かっぱランド™